2010年6月からの総量規制

キャッシング借入額の上限を年収の3分の1として定められた総量規制について。ショッピング(含ローン)と銀行は対象外です。年収を証明する書類を提出の有無とその他注意点について。

2013年12月追記

総量規制が施行されてから数年が経ちましたが、もしかしたら参考になるかもしれないと思い、当該記事を削除することなく、このまま内容を一部更新して残しておくことにしました。

総量規制があるがために、希望するキャッシングの枠を得られない、またはクレジットカードを増やしても、クレジットカード以外の融資の申込みをしても断られることがあるかもしれませんので、ご参考までに見直しておいてくださいね。

年収を証明する書類を提出

多重債務の問題を解決するために施行される改正された総量規制は、2010年6月から完全に実施されていますので、クレジットカード会社へ2009年ごろから年収を証明する書類を提出すること案内が届いていたと思います。

提出していない場合は、(もしくはクレジットカード会社へ申告をしていない場合は)キャッシングができなくなりましたが、現在未提出であったとしても、提出さえすれば再びキャッシングができるようになるはずですので、ご希望の方はクレジットカード会社へ直接問い合わせてみてください。

ローンは対象?それとも対象外?

「ショッピングとキャッシングの違いは分かったが、ローンはどういう扱いになるのか?」についてですが、ローンにもショッピングとキャッシングの2種類があります。分岐点はローンか否かではなく、ショッピングとキャッシングのどちらか?です。すなわち、ショッピングローンであればショッピング扱い。キャッシングローンであればキャッシング扱いです。

なお、この記事では話を単純化させるためにローンという言葉を極力使わずに書いています。

総量規制の注意点

総量規制を簡単に言いますと、個人のキャッシングの借り入れ総額が、年収の3分の1までに制限される仕組みのことですが、細かく見ていきますと、いくつか注意点があります。

以下、注意点をまとめます。

  • 総量規制はクレジットカードのキャッシングが対象です。クレジットカードのショッピング枠は対象ではありません。
  • 個人のキャッシングの借り入れ総額は複数のクレジットカード会社の借入額を合計した額ですので、1社だけではありません。
  • キャッシングなどの貸付契約には個人と法人向けの2種類があり、それぞれに担保保証の有無の2種類がありますので、合計4種類ありますが、今回の総量規制対象は、個人向け無担保のキャッシングローンのみになり、銀行からの借入金や個人事業向けの融資などは対象外です。
  • 先に書きましたとおり、年収を証明する書類を提出していない場合は、キャッシングはサービス対象外(限度額が0円)になります。
  • 年収を証明する書類とは、源泉徴収票や確定申告の写し(印があるもの)ですが、詳細はクレジットカード会社から届いている書類に書かれていますので、必ず目を通しておきましょう。

総量規制が施行される前に、限度額が既に年収の3分の1を超えているケースや既に多重債務で支払いが困難であるケースにつきましては、次の項目で書きます。

既に年収の3分の1を超えている場合は?

既に年収の3分の1を超えてしまっている場合は、一部の特例を除き、これ以上キャッシングを利用してお金を借りることができないだけでなく、限度額の引き下げなどが実施されると思います。

限度額査定に伴う支払いについての詳細は各クレジットカード会社から送られてきている書類を再読されるか、もしくは直接クレジットカード会社へご相談されることをオススメします。

既に多重債務で支払いが困難な場合は?

もし多重債務に苦しんでいらっしゃるなら、弁護士や司法書士に相談するのも、ひとつの方法です。また先に書きましたとおり、銀行からの借入金は総量規制の対象外なので、銀行のおまとめローンなどを活用し、借金の一本化を図り、無理なく返済できる生活へ戻しましょう。

最新(更新)記事

デビットカード - クレジットカードを持っている場合、デビットカードも持つべきか?デビットカードとクレジットカードとの相違点とは?国際ブランドとしても有名なブランドデビットカードについても。

日本国外とのデータ伝送の注意点 - 日本国内だけでなく国外と双方にデータ伝送する際、日本国内の認識がそのまま世界の国々と同じ認識とは限らない。コンピュータシステムデータ上の基本的な注意点について。

クレジットカードの更新と再発行サービス - 更新と再発行サービスだけでなく、即日発行、緊急再発行などの知識も万一に備えて理解しておきましょう。クレジットカードが再発行されるのは更新のときだけではありません。

クレジットカードシステムの系統 - 業務系、勘定系、基幹系、情報系、対外接続系などコンピュータシステム概要について解説します。クレジット決済だけでなく、クレジットカード業界特有のコンピュータシステム系統について大局を掴むことも必要です。

クレジット債権管理士資格制度 - クレジットカード会社内でおすすめの資格は何ですか?と尋ねると「クレジット債権管理士資格制度」と回答される方多いです。業界へ就職や転職を検討されている方も知っておくと良いかも知れません。

クレカウンセラー(クレジット債権管理士上級資格制度) - クレカウンセラー(クレジット債権管理士上級資格制度)はクレジットカード会社の債権業務においてステイタスが高い資格です。受験できるなら、債権を管理される部署だけでなく、他の部署でも目指した方が良いでしょう。

三者間契約 - クレジットカード会社のどのような部署であっても、業務と金融、サービスを理解するうえで三者間契約の理解が必要です。最低限知っておかなければならない基本知識を習得しておきましょう。

クレジット審査業務能力検定制度 - クレジットカード業界で人気の資格、現在クレジットカード会社へ勤めている方、就職や転職を考えている方にも。クレジット審査業務能力検定制度の存在を知っておいてくださいね。

航空(エアライン)系クレジットカード - 旅行、空旅が多いなら航空(エアライン)系クレジットカードが良いと思いますが、得する条件は同じではありません。基本情報と共に、メリットや選び方の着目点について書きます。

インターナショナルクレジットカードとブランドホルダ - クレジットカード業務の基礎知識、国際ブランドとは?ブランドホルダとは?インターナショナルクレジットカードとは?会社や国外の相違により、クレジット決済が異なる仕組みの面からも必要な知識です。

分類

システムの仕組み

ショッピング、ローン、キャッシングをクレジットカードで利用する際にバックボーンとなるコンピュータシステムと仕組みについて解説。クレジットカード業界の就職、転職する基本知識としても重要です。

会社の業務

クレジットカード業界の専門用語の他、カード会社の業務に関する一般的な金融用語、社内の部門組織、クレジットカード関連の資格等について記載しています。就職、転職する場合の基礎知識としてもご利用ください。

会社のサービス

クレジットカードの発行からショッピング、ローン、キャッシング、保険に至るまで、クレジットカード利用とサービスについて解説。クレジットカード業界へ出向する場合や就職、転職する基本知識としても重要です。

発行会社と組織

クレジットカード発行会社系列と法人組織、団体について記述しています。クレジットカード・金融業界や外資系企業などで働く場合はもとより、就職・転職する場合も業界全体像を掴む上で基本的な知識になります。

種類と機能

クレジットカードの機能、サービス、特典などについて。その他クレジットカードと類似したカードについても解説します。カードの種類は会社ごとに相違がありますが、同じ会社発行でも相違があります。

注目記事

クレジットカードの支払いができないとき

オーソリゼーション(与信照会)と信用照会端末

プロフィール

サイトのアイコン

渋沢

  • 職場:金融、クレジットカード関係
  • 職種:システムエンジニア

ソーシャルボタン

このエントリーをはてなブックマークに追加