CVV2とCVC2

カード背面にあるセキュリティコード(VISAのCVV2、Master CardのCVC2)の動向やクレジット決済の注意点を書きます。またセキュリティコードと間違えやすいパスワードについても補足します。

CVV2とCVC2の意味

クレジットカードの所有者本人を認証する、セキュリティコードの仕組みのひとつ。CVV2はVISA(ビザ)、CVC2はMaster Card(マスターカード)が開発しました。

CVV2とCVV、CVC2とCVCとの違い

CVVはCard Verification Valueの略語で、VISA(ビザ)が開発したクレジットカードのチェックデジットのことで、CVCはCard Verification Codeの略語で、マスターカードが開発したクレジットカードのチェックデジットのことです。簡単にいうと、CVVとCVCは偽造カード防止コード技術のひとつで、クレジットカードの磁気ストライプにエンコード(入力)されたデータにより、そのクレジットカードが偽造であるか否かを判定することができる仕組みになっています。

CVV2とCVC2はクレジットカード裏面のサインパネル数字により、クレジットカードの持ち主(カード会員)であるか否かの確認をするための仕組みですので、CVVとCVV2(またはCVCとCVC2)は全く別の仕組みになります。

CVV2とCVC2の違い

ビザのCVV2とマスターカードのCVC2とは異なるものですが、クレジットカード利用者からみると、どちらもセキュリティコードを入力するために利用するものなので、利用者だけの視点では大きな違いはありません。セキュリティコードとして利用する例としては、クレジットカード裏面のサインパネルのところにある数字のうち、下3桁か4桁をインターネットショッピングの決済時に打ち込むことで、クレジットカード所有者本人かどうかを認証し、クレジットカードが手元にあることの証明する仕組みになっています。

セキュリティコードの動向

セキュリティコードとしての仕組みは欧米のサイトやテレフォンショッピングなどで先行して普及していましたが、この記事を書いた2006年当時の日本のサイトでは、まだ本格的に普及していませんでした。しかしながら2015年現在では、本人成りすまし防止対策として、日本国内のショッピングサイトの多くがセキュリティコードを必須入力としています。またビザ、マスターカード以外のクレジットカードでも(CVV2、CVC2というシステムでなくとも)同様のセキュリティコードの存在が広く普及しています。

セキュリティコードの注意点

セキュリティコードを入力する際の注意点としては、セキュリティコードの数字は、クレジットカード番号や暗証番号では無いということです。この記事を書いた2006年当時の日本では、まだメジャーではなかったため、セキュリティコードとクレジットカード番号(または暗証番号)との区別ができず、海外でのネットショップやテレフォンショップで買い物ができないなどの理由の大半を占めていましたが、現在では日本国内でもネットショップの多くが決済時にセキュリティコードについて説明書きをしていますので間違えたり迷ったりすることはないでしょう。

簡単にまとめますと、以下の3つです。

  • セキュリティコードはクレジットカード番号ではない
  • セキュリティコードは暗証番号ではない
  • セキュリティコードはクレジットカード所有者本人の手元にクレジットカードがあることの証明として使われる

セキュリティコード以外のパスワードって何だ?

念のため、補足を加えたいと思います。

最近のネットショップでは、セキュリティコード入力の他に、クレジットカード会社の会員制ウェブサイトに登録したパスワードを入力するケースがあります。クレジットカード会社の会員制ウェブサイトとは、例えばビザであればVpassのことです。

Vpassの場合、登録することでクレジット明細や支払い方法をウェブ上で変更できますので、多くの方が登録されていると思いますが、登録しないとパスワードが発行されないので、ネットショップによっては購入できないケースもありうるということになります。

なお、この仕組みはビザのVpassに限らず、例えばJCBカードであればMyJCBなど、殆どのクレジットカード会社が採用しています。

最新(更新)記事

デビットカード - クレジットカードを持っている場合、デビットカードも持つべきか?デビットカードとクレジットカードとの相違点とは?国際ブランドとしても有名なブランドデビットカードについても。

日本国外とのデータ伝送の注意点 - 日本国内だけでなく国外と双方にデータ伝送する際、日本国内の認識がそのまま世界の国々と同じ認識とは限らない。コンピュータシステムデータ上の基本的な注意点について。

クレジットカードの更新と再発行サービス - 更新と再発行サービスだけでなく、即日発行、緊急再発行などの知識も万一に備えて理解しておきましょう。クレジットカードが再発行されるのは更新のときだけではありません。

クレジットカードシステムの系統 - 業務系、勘定系、基幹系、情報系、対外接続系などコンピュータシステム概要について解説します。クレジット決済だけでなく、クレジットカード業界特有のコンピュータシステム系統について大局を掴むことも必要です。

クレジット債権管理士資格制度 - クレジットカード会社内でおすすめの資格は何ですか?と尋ねると「クレジット債権管理士資格制度」と回答される方多いです。業界へ就職や転職を検討されている方も知っておくと良いかも知れません。

クレカウンセラー(クレジット債権管理士上級資格制度) - クレカウンセラー(クレジット債権管理士上級資格制度)はクレジットカード会社の債権業務においてステイタスが高い資格です。受験できるなら、債権を管理される部署だけでなく、他の部署でも目指した方が良いでしょう。

三者間契約 - クレジットカード会社のどのような部署であっても、業務と金融、サービスを理解するうえで三者間契約の理解が必要です。最低限知っておかなければならない基本知識を習得しておきましょう。

クレジット審査業務能力検定制度 - クレジットカード業界で人気の資格、現在クレジットカード会社へ勤めている方、就職や転職を考えている方にも。クレジット審査業務能力検定制度の存在を知っておいてくださいね。

航空(エアライン)系クレジットカード - 旅行、空旅が多いなら航空(エアライン)系クレジットカードが良いと思いますが、得する条件は同じではありません。基本情報と共に、メリットや選び方の着目点について書きます。

インターナショナルクレジットカードとブランドホルダ - クレジットカード業務の基礎知識、国際ブランドとは?ブランドホルダとは?インターナショナルクレジットカードとは?会社や国外の相違により、クレジット決済が異なる仕組みの面からも必要な知識です。

分類

システムの仕組み

ショッピング、ローン、キャッシングをクレジットカードで利用する際にバックボーンとなるコンピュータシステムと仕組みについて解説。クレジットカード業界の就職、転職する基本知識としても重要です。

会社の業務

クレジットカード業界の専門用語の他、カード会社の業務に関する一般的な金融用語、社内の部門組織、クレジットカード関連の資格等について記載しています。就職、転職する場合の基礎知識としてもご利用ください。

会社のサービス

クレジットカードの発行からショッピング、ローン、キャッシング、保険に至るまで、クレジットカード利用とサービスについて解説。クレジットカード業界へ出向する場合や就職、転職する基本知識としても重要です。

発行会社と組織

クレジットカード発行会社系列と法人組織、団体について記述しています。クレジットカード・金融業界や外資系企業などで働く場合はもとより、就職・転職する場合も業界全体像を掴む上で基本的な知識になります。

種類と機能

クレジットカードの機能、サービス、特典などについて。その他クレジットカードと類似したカードについても解説します。カードの種類は会社ごとに相違がありますが、同じ会社発行でも相違があります。

注目記事

クレジットカードの支払いができないとき

オーソリゼーション(与信照会)と信用照会端末

プロフィール

サイトのアイコン

渋沢

  • 職場:金融、クレジットカード関係
  • 職種:システムエンジニア

ソーシャルボタン

このエントリーをはてなブックマークに追加